制度変更について
2028年4月に高校へ入学する生徒が対象となるため、2026年9月現在の中学2年生が最初の対象学年です。
大阪府が発表している主な変更点をまとめると、次のようになります。
| 主な変更 | 2028年度から |
|---|---|
| 入試日程 | 特別選抜と一般選抜を一本化 |
| 学校特色枠 | 新たに導入 |
| 第2志望校 | 一定の条件で出願可能に |
| 国語・数学・英語 | A・B・C問題それぞれに共通問題を導入 |
| 英語資格 | 英検などの読替え率を変更 |
| 自己申告書 | 廃止 |
| 調査書 | 「活動/行動の記録」を廃止 |
この記事では、それぞれ何が変わるのか、そして受験生にどのような影響がありそうなのかを順番に見ていきます。
①「学校特色枠」が新しく導入されます
今回の入試改革の中で、特に大きな変更だと考えているのが「学校特色枠」です。
2028年度からの一般選抜では、合格者を決定する手順が、
第1手順:学校特色枠による判定
↓
第2手順:通常の総合点による判定
という2段階になります。
学校特色枠では、各高校が「特に求める具体的な生徒像」を設定し、その高校が独自に定めた方法によって合格者を決定します。
学校特色枠は原則として募集人員の50%以下で設定され、学校によっては学力検査だけでなく、調査書、作文、面接、プレゼンテーション、エントリーシートなどが選抜に使われます。
なお、学校特色枠への応募は希望者のみです。
また、学校特色枠で合格できなかった場合でも、それだけで不合格になるわけではありません。
学校特色枠で合格しなかった生徒は、特色枠に応募しなかった生徒とともに、第2手順の通常の総合点による判定に進みます。
そのため今後は、
「志望校の学校特色枠を利用した方が有利なのか?」
ということまで考えて受験戦略を立てる必要が出てきそうです。
→【関連記事】2028年度から始まる「学校特色枠」とは?仕組みと対策を解説
※今後、港高校・桜宮高校・柴島高校・淀川工科高校など、近隣高校の学校特色枠についても個別に解説していく予定です。
② 公立高校にも「第2志望校」への出願機会ができます
もう一つ大きな変更が、公立高校の第2志望校への出願機会です。
これまでは基本的に、公立高校については1校を選んで受験するというイメージが強かったと思います。
2028年度からは、第1志望校に加えて、第2志望校へ出願できる機会が設けられます。
ただし、
「好きな公立高校を2校受験して、どちらかに合格できる」
という単純な制度ではありません。
第2志望校で合格者の判定が行われるのは、その高校を第1志望としている志願者数が募集人員に満たない場合です。
つまり、第1志望者だけで定員が埋まっている高校では、第2志望者が合格する枠は基本的にありません。
また、第2志望校のためにもう一度入試を受けるわけではありません。
第1志望校で受験した国語・数学・英語の「共通問題」の点数と、調査書の評定を使って判定されます。
一方で、これまでなら私立高校への進学となっていたケースの一部で、別の公立高校へ進学できる可能性が生まれる制度でもあります。
→【関連記事】2028年度から始まる「公立第2志望校制度」とは?
③ 国語・数学・英語のA・B・C問題に「共通問題」が入ります
大阪府の公立高校入試では、国語・数学・英語について、高校ごとにA・B・Cの問題を選択しています。
2028年度以降もA・B・Cの3種類が使われますが、問題の構成が変わります。
A問題=基礎的問題+共通問題
B問題=標準的問題+共通問題
C問題=発展的問題+共通問題
という構成になります。
なぜ共通問題を入れるのかというと、先ほど説明した第2志望校制度とも関係しています。
たとえば第1志望校がC問題、第2志望校がB問題を採用していたとしても、共通部分であれば同じ基準で比較できます。
そのため、第2志望校での判定では、国語・数学・英語の共通問題の点数が使われます。
A・B・C問題そのものがなくなるわけではない、という点は押さえておきましょう。
→【関連記事】2028年度入試でA・B・C問題はどう変わる?
④ 英検などの英語資格の扱いが変わります
大阪府公立高校入試では、一定の英語資格を取得している場合、英語の学力検査について点数の保障を受けられる制度があります。
この仕組み自体は2028年度以降も残りますが、読替え率が変更されます。
英検の場合は、
| 取得級 | 現行の読み替え率 | 2028年度以降の読替え率 |
|---|---|---|
| 英検準1級・1級 | 100% | 90% |
| 英検2級 | 80% | 70% |
となります。
英語の学力検査は90点満点なので、英検2級の場合は70%にあたる63点が保障され、実際の入試でそれを上回る点数を取れば、入試本番の得点が使われます。
これまでの制度と比較すると、特に英検2級を取得する意味については改めて考える必要があります。
ただし、だからといって「英検2級を取る意味がなくなる」ということではありません。
英検取得には私立高校入試なども含めたメリットがありますし、英語学習そのものを進める目標としても利用できます。
当塾でも、今後の入試制度を踏まえて英検をどのように利用していくか考えていきたいと思います。
→【関連記事】2028年度から英検2級の扱いはどう変わる?大阪府公立高校入試の英語資格制度
⑤ 自己申告書が廃止されます
これまで大阪府公立高校入試では、原則として受験生が「自己申告書」を提出していました。
2028年度から、この自己申告書が廃止されます。
一方で、学校特色枠など一部の選抜では「エントリーシート」が使われます。
この2つは同じものではありません。
これまでのように全員が自己申告書を書くのではなく、各選抜方法に応じて必要な資料を提出する形になります。
特に学校特色枠では、エントリーシートが選抜に大きく関係する高校もあります。
そのため、作文や面接などと同様に、志望校によってはエントリーシート対策が必要になるでしょう。
⑥ 調査書の「活動/行動の記録」が廃止されます
調査書についても変更があります。
2028年度からは、調査書に記載されていた**「活動/行動の記録」が廃止**され、各教科の評定のみが記載される形になります。
一方で、内申点そのものがなくなるわけではありません。
一般選抜では引き続き、
中学1年:9教科×5段階×2倍
中学2年:9教科×5段階×2倍
中学3年:9教科×5段階×6倍
として、合計450点満点の調査書評定が使われます。
つまり、
「2028年度から内申点が重要ではなくなる」わけではありません。
中学3年生の評定が最も大きいという現在の基本的な仕組みも継続します。
⑦ 特別選抜と一般選抜が一本化されます
これまで大阪府公立高校入試では、2月に行われる特別選抜と、3月に行われる一般選抜がありました。
2028年度からは、これらが一般選抜として一本化されます。
大阪府はこの変更について、高校入試にかかる期間を短縮し、高校入学に向けた準備期間を確保することなどを目的として挙げています。
専門学科などを志望する生徒にとっては、入試スケジュールにも関係する変更なので注意が必要です。
2028年度入試は複雑になる?
制度だけを見ると、
「学校特色枠」
「第1手順・第2手順」
「第2志望校」
「共通問題」
など、新しい言葉が増えるので、これまでより複雑になったように感じるかもしれません。
大きく変わるのは、そこに
「その高校がどんな生徒を求めているのか」
という視点がこれまで以上に入ってくることです。
特に学校特色枠については、高校によって選抜方法がかなり違います。
学力を重視する高校もあれば、特定教科の内申を見る高校、作文・面接・エントリーシートなどを重視する高校もあります。
そのため今後は、
「偏差値や内申から高校を選ぶ」だけでなく、「その高校の選抜方法が自分に合っているか」まで考えることが重要になる
のではないかと考えています。
当塾では、お子様の志望校に合わせて、保護者様への説明、本人への学習アドバイスを行える体制を整えていく予定です。
現在の中学2年生が最初の対象です
2028年度入試で高校へ入学するのは、2026年9月現在の中学2年生です。
現在の中学3年生が受験する2027年度入試は、基本的に現在の制度で行われます。
そのため、中学2年生の保護者の方からすると、
「もう対策を始めなければいけないの?」
と思われるかもしれません。
私は現時点で、学校特色枠の面接や作文などを急いで練習する必要はないと考えています。
まず大切なのは、
学校の授業をきちんと理解すること
定期テストで点数を取ること
内申点を確保すること
といった、これまでの高校受験対策と変わらない部分です。
そのうえで志望校が見えてきた段階で、
「この高校にはどんな学校特色枠があるのか」
を確認していけば十分でしょう。
おわりに
今回の記事では、2028年度大阪府公立高校入試改革の全体像を紹介しました。
ただし、今回の改革は学校による違いが非常に大きいため、この記事だけですべてを説明するのは難しいところがあります。
特に「学校特色枠」については、各高校の選抜方法を個別に見ていく必要があります。
今後このブログでは、
・学校特色枠の詳しい仕組み
・第2志望校制度
・英検などの英語資格
・A・B・C問題と共通問題
に加えて、
港高校
桜宮高校
旭高校
柴島高校
淀川工科高校
守口東高校
など、当塾から受験する可能性のある高校についても順次詳しく解説していく予定です。
制度を紹介するだけでなく、
「どんな生徒に有利になりそうなのか」
「特別な対策は必要なのか」
「実際の志望校選びにどう影響するのか」
というところまで、実際に高校受験を指導している塾の視点から考えていきたいと思います。
※この記事は2026年9月時点で大阪府教育委員会から公表されている情報をもとに作成しています。今後、新たな情報が公表された場合には随時更新します。

コメント